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本気すぎる“遊び”を発信する父

 Twitterで思わずいいねを押したくなる、個性豊かなオモチャを作り続けるのは枕井仗二さん(@Dad_McFly)。妻、7歳の息子、5歳の娘の4人家族で、出版社で編集記者として働いている。話題となっているのは、アニメ等で見かける「壁ズン」写真。壁にマスキングテープで描いた円形に息子さんがめり込んでいる。585フォロワーに対し、約4500のいいねが付いた投稿。大人と子供の発想を融合させたようなユニークなおもちゃを作るきっかけや理由を枕井さんに聞いた。

【写真】お気に入りの危険生物がバトルする「キケモンカード」、ほか「大掃除GO!」や「家ダンジョン 」などおもしろオモチャの数々

■子供と一緒に作る時間も大切 たまに子供の本気に敗北感も…

――超能力バトルごっこを盛り上げる「壁ズン」写真や、小学2年生に進級した息子さんをかたどった「脱皮した小1の抜け殻」などは、ツイッター上でとても反響がありましたね。このような、オモチャを作り始めたきっかけを教えてください。

【枕井仗二さん】息子が2歳くらいの頃に、『きかんしゃトーマス』に登場するキャラクターをどんどん覚えていくのを見て、この勢いなら文字も覚えるのでは?と思い、トーマスのひらがなカードを作ったのが最初でした。 
――どんなオモチャだったんですか?

【枕井仗二さん】カードの表にキャラクターの画像を貼り、裏にひらがなで名前を書いたものでした。息子はひらがな面を、親はキャラクターの面だけを見て、早く名前を言えた方が勝ち。という遊びにしました。

――初の手作りオモチャに対してのお子様の反応は覚えていますか?

【枕井仗二さん】カードは70枚くらい作ったのですが、息子はさすが子どもの記憶力で名前とひらがなを猛烈なスピードで覚えていきましたが、親はマイナーな機関車が覚えられずに最後は息子に負けるようになっていました。息子は親と対等に勝負できたことが嬉しく、親子での工作も楽しかったようでカードを気に入っていました。しかし、親にとってはこの時の敗北感が大きくて、必死に戦ったのに勝てなかったことが子どもを“遊び相手”と認識するきっかけになりました。

――子供より大人が夢中になってしまうことってありますよね。 枕井さんが作ったものをお子さんに…というわけではなく、親子一緒に作るというのもユニークな作品が出来上がる理由なのでは?と思います。オモチャ作りの発想はどこから生まれていますか?

【枕井仗二さん】まず、「なにをして遊ぶのか」を決めて各自が好きなモチーフを組み合わせて、みんなで遊び道具を作っていく感じです。かくれんぼに「敵国のスパイ」という設定を加えたり、鬼ごっこに「忍者修行」のモチーフを加えればいつもと違う雰囲気になりますよね。そうやって子どもたちは、ポケモンや妖怪などの要素を入れたり、親は映画や音楽や漫画のモチーフをくっつけて小道具を作っています。

――職業は編集記者ということですが、イラストやオモチャのクオリティが高いですよね。美術系のことを学ばれていたご経験があるんですか?

【枕井仗二さん】美術やDIYの経験はほとんどなくて、仕事で編集用ソフトを少し使っているくらいです。工作のスキルは子ども一緒に徐々に学んでいます。妻が美術系なので先日「工作がうまくなってきた」と、褒めてくれました。

――奥様は手作りオモチャについて他にもなにかおっしゃっていますか?

【枕井仗二さん】製作中に妻が「これを作れば、彼らは喜ぶよ」と言ってくれたものは、確実に子供が気に入ります。やはり彼女の方が子供たちのことはよく知っているし、“最良の友は母”なんだなと思います。

■“SNSの暗黒面”と戦いつつ、ネットで子供の遊びネタを探す人の参考になれば

――オモチャをTwitterに投稿し始めた理由を教えてください。

【枕井仗二さん】僕と同じように、遊びのネタをインターネットで探している人の参考にしてもらえればと思ってSNSに投稿し始めました。ただ、やはり「いいねが欲しい」という力に引っ張られそうになるので危ういです。子どもとの遊びという本質を見失って「映え」に傾きそうになっている時は、妻に「SNSの暗黒面に堕ちかけている」と注意をしてもらいます。

――それぞれおおよその製作時間を教えてください。

【枕井仗二さん】製作時間は平均20~30分くらい。子ども達と一緒に作ることが多いので時間をかけるとお互いに飽きてしまうので。

――今までで作った中で一番の大作はどんなものですか?

【枕井仗二さん】「ドラえもんのコラージュ遊び」です。ドラえもんのマンガのコマを組み立て直して、セリフを書き入れて新しいエピソードを作る遊びですが、本のページをコピーして吹き出しの文字を消して、コマごとに切り離す作業に製作時間が数日かかってしまいました。

――お子さんたちのお気に入りの作品をそれぞれ教えてください。

【枕井仗二さん】7歳の息子は危険生物がバトルする「キケモンカード」がお気に入りです。危険生物にはまっている息子に、家族みんなが各生物の特徴や危険度を教えてもらいながらカードを作りました。絵や、必殺技や攻撃力を書き入れたカードでよく遊んでいます。

――息子さんの発想が全面に出たカードですね。娘さんはどうですか?

【枕井仗二さん】5歳の娘は「怪人雨男VS晴れマン」の遊びが好きで、雨男の父親を晴れ男・晴れ女の子ども達が自作のヒーロー衣装を身に着けて「参上!」とやっつけにきます。

――逆に、失敗作はありますか?

【枕井仗二さん】ピロピロ笛(吹き戻し)にエイリアンの顔をつけて宇宙船の船員を襲う工作を作ったのですが、バイオレンスすぎて教育上は最悪だなと反省しました。

■「子どもをコントロールしない」 与えられた時間で父と子が楽しく過ごせる時間に

――お子さんのために始めたオモチャ作りだと思いますが、その時と気持ちの変化はあるのでしょうか。ご自身の趣味や遊びという感覚というか…。

【枕井仗二さん】自分が好きでやっている方が大きいです。子どもたちも「今日はお父さんと遊んでやるか」という感じじゃないかな。いずれ遊んでくれなくなるから、“与えられた時間で何ができるか”と思って父と子で共に遊んでいます。

――コミュニケーションのひとつでもあるんですね。子育てで心がけていることがあればお聞かせください。

【枕井仗二さん】子育ても遊びもお互い楽しく過ごせるよう、なるべく子どもをコントロールしないよう心がけています。ただ、実際には親のエゴで「文句は言わさん」みたいな気持ちにもなるので、なかなか難しいのですが。

――お父さんが一緒にオモチャを作ってくれるのは、お子様にとって思い出深い経験になるかと思います。手作りオモチャを通してお子さんに伝えたいことがあればお聞かせください。

【枕井仗二さん】 あまり意識していませんが、「全てのことには楽しめる要素が入ってる」といったことかもしれません。

――最後に、今後作ってみようと思っているものがあればお聞かせください。

【枕井仗二さん】電子工作や裁縫、プログラミングなどスキルがなくて作るのを断念しているものがたくさんあるので、子どもと一緒に覚えていくのも良いかなと思っています。

(提供:オリコン)
2019/6/12 06:30 配信

マスキングテープで作った「壁ズン」は超能力バトルごっこを盛り上げた(制作・写真/枕井仗二さん@Dad_McFly)
マスキングテープで作った「壁ズン」は超能力バトルごっこを盛り上げた(制作・写真/枕井仗二さん@Dad_McFly)